あの頃、ふたりで。

遠い昔のラブソング

あの頃

あの頃。

世界の音楽界を変えてしまったBEATLESが空中分解して数年。巨人の長嶋が引退し、怪物と呼ばれたハイセイコーが競馬ブームを起こして去っていった。ジャネット・リンに魅了され、日の丸飛行隊に熱くなった札幌オリンピックはまだ記憶に新しい。

 

あの頃。。

オイルショックの混乱に翻弄されても社会にはまだ熱気が残っていて、信じられる明日があった。車の普及が急速に進んで高速道路網の整備が始まり、電卓とソロバンが共存していた。国鉄が仕掛けた「ディスカバー・ジャパン」のキャンペーンに乗って女性の一人旅がスタイルとして確立し、前代未聞の総理大臣逮捕劇となったロッキード事件も起こった。

 

そんな時代に北海道の端っこで起こったひとつの出来事。どこにでも転がっていそうなありふれた偶然が、たまたま居合わせたふたりに試練と歓びを与えた。それは考えようによっては、紛れもない愛と人生だったのかもしれない。
束の間、ふたりの想いは純粋で一途で、そしてぎこちなかった。

同じ場所と同じ時間を共有したふたりが、あの頃に紡いだエピソード。。。

  

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途切れとぎれに思い出すエピソードのピースは、それらを拾い集め繋ぎ合わせて再構成すると、一つのショート・ストーリーとして様々な意味を帯びてくる。そこに覚えるのは懐かしさというより、あまりに遠くなってしまった存在に対する、苦みや痛みに近い感覚かも知れない。

 

そうした様々なエピソードを核に、想像上の《あの頃の自分》にセカンド・テイクを演じさせると《あったかもしれない話》や《ありそうな話》が真実味を持って動き始める。

 

セカンド・テイク ―― ここに綴られている文章の95パーセント以上はフィクション。

それでも、フィクションに紛れ込んでいるほんの数パーセントの真実は、君の心に直接響くと確信している。

あの頃話したこと、考えたこと、伝えられなかった言葉、出来なかったこと ・・・ どれも皆掛け替えのない貴重な体験や記憶だけれど、できるなら "あの頃" に戻ってやり直したいことが幾つもある。そうすればきっと違う結果になっていただろうから。

あり得ないことと判ってはいても、そんな風に考えられずにいられないのは、少しばかりの気掛かり(※) に起因している。

 

(※) 「気掛かり」は 2020/02/29 の『虫の報せ』を参照。 

 

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個人の特定につながるような記述は避けている積もりですが、そのような記述を見つけた時はご指摘下さい。ご本人は当然気付かれると思いますが。

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