あの頃、ふたりで。

遠い昔のラブソング

東京近郊

京王プラザ2007

そのときメイがもぞもぞと動いた。 《起きてる!》 考えるより先に身体が勝手に動いた。弾かれたように君に覆い被さり、そのまま思いっ切り抱き締めていた。メイは驚いたようにピクンと跳ね、小さく "んん・" とうめいて目を開ける。遠く離れてしまうメイの…

ナチュラル

ナチュラルがいいとメイは言う。誰にも相談できず心細さに耐えているメイを想像すると、僕はとても尋常ではいられなくなる。 メイはきっと、その辺りの事情を十分承知していて覚悟も決めているのだろう。言葉はその証左なのだ。そんな時、僕にはメイがずっと…

中央フリーウェイ

到着便の案内表示板が、刻々と変わる運行状況に合わせてパタパタと音を立てている。僕は到着ゲートの前で逸る胸を抑えつけながら待っている「もしかしてユーミン?」と訊く君に僕は左側を指差した。あっという間に通り過ぎる。「ビール工場って、SUNTORY?」…